弁護士会の大きな役割や、加入する必要があるのかを解説しています。

弁護士会とは?絶対に加入しなければならない?

 

弁護士会館の看板

 

法律事務所などで弁護士として働く場合は、弁護士会への加入が必須条件です。

 

弁護士会は強制加入団体で、日本弁護士連合会(日弁連)全国52ある単位会(東京弁護士会など)のいずれかへ、それぞれ加入しないといけません。
弁護士は司法試験と司法修習試験 への合格および、弁護士会(日弁連+単位会)への登録による4つの条件を全て満たした人のみが資格を得られます。

 

ちなみに弁護士会公証人会弁理士会をはじめ、行政書士会司法書士会など士業は強制加入団体が存在する職種が多いです。

 

士業向けの任意加入団体(建築士会など)や、戦後に任意団体へ変わったケース(医師会)もあります。
なお、一部で弁護士同士の情報交換や研修を目的にした任意の弁護士会も存在し、複数の弁護士会へ登録することも可能です。

 

今回は強制加入団体である弁護士会について詳しく紹介いたします。

 

弁護士会の役割

 

弁護士会の主な役割・業務は以下の通りです。

 

  • 弁護士自治(弁護士の登録、懲戒など)
  • 弁護士へ向けた研修、情報共有
  • 業務補助(弁護士会照会制度など)
  • 弁護士会による法律相談、弁護士派遣など

 

弁護士は司法書士や行政書士などと違って監督官庁がなく、弁護士会が自ら弁護士の登録や懲戒業務を行っています。
研修や情報共有も積極的に行なっていますが、医師会などの任意加入団体に比べて多くの会員が集まる機会は少ないです。

 

主に弁護士会新聞や弁護士会会報などで情報共有を行なっています。

 

弁護士から見た弁護士会

 

弁護士会に登録している弁護士の多くは、強制という理由だけで登録をしていて弁護士会の主催するイベント等に強い関心を持っていません。
一部で弁護士会の中で重要なポストへ就く目的や勉強熱心な理由で弁護士会を積極的に活用しているケースもありますが、何か悪いことをした時に懲戒処分をされる管理団体くらいにしか思っていない弁護士もたくさんいます。

 

財産の差し押さえなど複雑な案件を扱う弁護士は、弁護士会を通じた照会請求を頻繁に活用するなど業務をする上で欠かせない存在になっています。

 

このほか、国が運営する法テラスが所得や資産に関係なく初回の法律相談を無料で実施しようとした際は、法律事務所へ有料相談する需要が奪われると懸念して弁護士会が反対しました。
昨今は訴訟件数が横ばいから微減の水準にも関わらず、弁護士の人数が増えて依頼を獲得する競争が激しくなっています。

 

弁護士会が統制を取る重要性が高まっている部分もありますが、
刑事や民事のほか離婚や企業法務など様々な専門性へ枝分かれしていて合意さえあれば報酬を任意に設定できる特性から、
弁護士会へ頼り切るのではなく弁護士それぞれが努力をして顧客(クライアント)からの信頼を獲得しないといけない業界です。