弁護士になるまでに、受験資格を獲得してから長い試験が続きます。

 

弁護士バッジと六法全書

 

弁護士になるには司法試験に合格することが必要ですが、2013年以降の試験から新司法試験に完全移行して、司法試験を受験すること自体の難易度が大幅に高まりました。
令和現在、弁護士になるための流れをまとめると、以下の4ステップです。

 

  1. 受験資格を得る(法科大学院卒or予備司法試験)
  2. 新司法試験
  3. 司法修習(研修)
  4. 司法修習修了試験(司法修習生考試)

 

現在の受験者は大半が法科大学院(ロー・スクール)卒業者であり、予備司法試験に合格して受験資格を得ても5年内しか受験ができません

 

以前とは異なり、大学院を卒業していない方は受験資格を得ることに一苦労するので注意しましょう。

 

4つのステップの中で難関なのは司法試験で、ここを通過できれば司法修習修了試験も多くの人がクリアできます。(平均合格率97%以上)
ただし、司法修習修了試験も5日間にわたるハードな内容で、ここで不合格になると1年後の試験まで待たないといけません。

 

旧司法試験の特徴

 

2002年の司法試験法改正によって試験の内容が大きく変わり、2012年の試験までは新旧を同時開催していました。
2013年以降は新司法試験に完全移行したため、現在は旧司法試験を受けることはできません。
過去のことですので簡単に紹介しますが、旧司法試験の特徴は以下の通りです。

 

  • 年齢性別、資格不問で誰でも何度でも受けられた
  • 多い時は5~6万人の受験生がいた
  • 一次→二次→論文式試験→口述試験の4ステップだった
  • 短大以外の大学を2年以上通って一定の単位を取れば一次試験免除(大半が二次試験から受験)

 

旧司法試験は多くの方が気軽に受験することができる内容で、受験者数の多さ倍率の高さが問題視されていました。
ここからは新司法試験制度の内容に沿って司法試験の概要を紹介いたします。

 

受験資格

 

新司法試験制度では法科大学院(ロー・スクール)を卒業するか、司法試験予備試験に合格しないといけません。
受験者の約9割は法科大学院経由で、原則3年・最低2年かけて大学院を修了する必要があります。

 

旧司法試験では社会人になってから司法試験合格を目指す人が多く見られましたが、新司法試験への移行後は仕事をしながら司法試験の受験資格を得ること自体が難しくなりました。

 

司法予備試験は法科大学院修了程度の知識・能力があるかを判定する試験で、短答式→論文式→口述式の3つの試験で行われ平均合格率は4%前後です。

 

こちらは受験資格がなく、制度上は高校生でも受験することができます。
いずれかの受験資格を得てから5年度内に3回しか受験できませんでしたが、今では5年以内なら毎年司法試験を受けられるようになりました。

 

試験内容

 

新司法試験の内容とは

 

新司法試験は短答式1日論文式3日の2つの試験で行われるのみで、口述試験がなくなるなど試験の項目自体は少なくなりました。
その分、短答式は旧司法試験の3時間30分から5時間30分へ、論文式は計12時間から計17時間が必要な試験内容に変更されています。
試験そのものの難易度は高いですが、受験者数が6,000~8,000人ほどに減少し、合格者数が1,500~2,000人ほどに増えたため、倍率が低くなっています。
(合格率は約20~30%)

 

 

 

司法修習

 

司法試験に合格して弁護士(法曹資格)を目指す場合は、司法修習が義務づけられています。
司法研修所での座学2ヶ月間と地方裁判所所在地に配属されての実務研修10ヶ月間による計1年間で行われ、司法修習生は公務員に準ずる身分として給料を得られます。(月収13.5万円)
研修修了後の試験に合格すれば法曹資格を得られ、弁護士裁判官検察官への道が開けます。