司法試験に合格すると、弁護士や裁判官以外にも8つの士業に就けます。

司法試験合格でなれる弁護士以外の仕事

 

六法全書と弁護士バッジ

 

司法試験とは日本における法曹資格(法律を扱う専門職)を付与するための試験で、弁護士以外にも幅広い仕事へ就くことが可能です。
以前は弁護士試験(代言人試験)と判事検事登用試験など複数の試験がありましたが、現在は司法試験に合格するだけで幅広い選択肢を得られます。

 

司法試験合格でなれる仕事をまとめました。

 

司法試験合格が必須の仕事

  • 弁護士
  • 裁判官(判事補※)
  • 検察官(検事)

 

※判事補は裁判官に任命されて10年以内の者

 

司法試験合格 or 専用の試験合格でなれる仕事

  • 弁理士
  • 税理士
  • 行政書士
  • 社会保険労務士(社労士)
  • 海事補佐人

 

司法試験は国内最難関の試験になるため、合格者の大半は弁護士裁判官検察官のいずれかになります。
法曹資格は幅広い職種への登録が認められていますが、士業の全てではないので注意してください。

 

裁判官になるには

 

裁判官になる方法は司法試験と司法修習修了試験に合格した者の中から任命されるのが王道ルートで、教官からの推薦状があると有利です。
このほか、弁護士になってから応募することもできますが、極めて狭き門になります。

 

司法試験合格者で裁判官への道を希望したとしても実際になれる人はごく一部で、司法修習修了過程の中で適正があると判断される必要があります。
裁判官になる人は報酬よりも正義感ややりがりを重視する傾向が強く、裁判官を目指せる機会が少ない理由で希望する方も多いです。

 

裁判官として働いたキャリアは高く評価され、裁判官を経て弁護士へ転身される方も多数います。

 

検察官になるには?

 

検察官も裁判官と同様に適正があると認められた人のみがなれる仕事で、司法試験合格者の中でも一部の人しかなれません。

 

裁判官より採用枠が多いと思われがちですが、司法修習の期別で見ると裁判官より採用数が少ない年があります。
検察官も大変な仕事ですが、正義感ややりがい、キャリアを理由に希望する人が多い人気の職種です。

 

士業について

 

日本には職務上の請求権を有する以下の8士業があります。

 

  • 弁護士※
  • 弁理士※
  • 司法書士
  • 行政書士※
  • 税理士※
  • 社会保険労務士※
  • 土地家屋調査士
  • 海事代理士

 

※のついている5つの士業は司法試験合格でなれる仕事です。
法曹資格でも全ての士業の資格を得られるわけではないので注意しましょう。

 

弁護士以外の士業になる理由

 

まずはじめに、司法試験合格者が他の士業の一部業務をそのまますることもできますが、その士業を名乗って仕事をするには登録が必要です。
たとえば弁護士が税理士になろうとした場合は税理士会に登録する必要があり、各士業の登録には費用がかかります。

 

司法試験に合格したのに、弁護士ではない士業だけの道へ進むメリットは見当たりません。
なお、裁判官と検察官は公務員ですので、他の業務(副業)をするのは禁止です。

 

他の士業の資格も付与されるのは、司法試験合格は幅広い知識が求められる制度上のものだと思ってください。

 

弁護士をしながら他の士業を兼務することもできますが、弁護士の仕事は激務であることや他の士業と実務で求められる専門性が異なる理由から兼務する弁護士は少数派です。
なお、登録を受けて他の士業を兼務していた場合でも、弁護士が弁護士会から懲戒処分を受けて業務停止等になった時は、原則として他の士業もできなくなります。

 

登録と業務は別の区分

 

考える弁護士

 

一例として司法試験合格者が司法書士として登録することはできませんが、登記手続きを行うことは可能です。
司法試験合格者が登録できる士業と、法曹資格を保有していれば登録しなくてもできる業務があることを覚えておきましょう。
登録せずに業務を行う場合は細かく範囲が定められているので、ひとつひとつ確認する必要があります。