司法試験に合格した司法修習生の生活についてまとめてみました。

司法修習生はどんな生活?

弁護士になるための司法試験に合格したら、1年間の司法修習を受けないと法曹資格を得られないルールになっています。

 

司法修習生は法律の専門家になる研修期間で、公務員に準ずる身分として実務を通じて法律の知識を学んでいきます。

 

生活については賃貸自宅通勤の3パターンがあり、勤務時間外の生活自体に大きな制約はありません。

 

司法修習生の通勤イメージ

 

ただし、最後に7時間半×5日間にわたる司法修習生考試の最終試験(二回試験)が待っているため、司法修習生は研修勉強を中心にした生活で1年間を過ごしています。

 

 

司法修習の流れ

 

司法修習生は司法試験の行われた年の12月から翌年の12月までの期間に以下のスケジュールで行われます。

 

導入修習
時期 12月上旬から3週間
場所 司法研修所(埼玉県和光市)

 

分野別修習
時期 1~8月上旬
場所 全国の地方裁判所管轄地域の各種施設

 

集合修習
時期 8月中旬~9月(A班の場合)
場所 司法研修所

 

選択修習
時期 10~11月中旬
場所 原則として分野別実務修習の配属修習地

 

二回試験(司法修習生考試)
時期 11月下旬
場所 原則として司法研修所と新梅田研修センター(大阪)

 

合格発表
時期 12月
場所 インターネットおよび法務省司法試験合格発表掲示板

 

導入修習

 

導入復習とは1年弱の本格的な司法修習を行う前のガイダンスのようなものです。

 

導入復習だけは、その年に司法試験を合格して司法修習を受ける人が全国から司法研修所に集まります

 

埼玉県和光市にある、2つの棟に分かれた司法修習生用のいずみ寮という宿泊施設があり、ここに入寮する際は先着順で先輩達の残した生活家電や家具を譲り受けることが可能です。
そのため、入寮日には早朝から入寮者が行列を作るのが風物詩になっています。

 

分野別修習

 

分野別復習は全国の地方裁判所管轄の地域に配属され、以下4つの分野を2ヶ月ずつ実習します。

 

  • 民事裁判
  • 刑事裁判
  • 検察
  • 弁護

 

分野別修習は判決書の起案や裁判への立ち会い、弁護等の実務をこなして法曹家としての基礎知識を身に付けます。
弁護士として働く場合は民事か刑事のいずれかを専門に扱うことになりますが、弁護士は分野別修習を通じて法曹資格に携わる一連の業務を学べる仕組みです。

 

配属先は希望を出せますが、必ずしも希望が通るとは限りません。
遠方の場合は寮か賃貸住宅を利用する流れになります。

 

選択修習

 

選択修習は裁判所検察庁弁護士会が提供する科目の中から任意に選んだカリキュラムを2ヶ月弱にわたって修習します。
選択修習を決める時点で、弁護士や検察など進む道を明確にしておくことが望ましいです。

 

二回試験(司法修習生考試)

 

弁護士になるには、司法試験と司法修習生考試の2回の大きな試験があることから二回試験と呼ばれ、東京と大阪の試験会場にて、以下の5科目を1科目7時間半の試験で行われます。

 

  • 民事裁判
  • 刑事裁判
  • 検察
  • 民事弁護
  • 刑事弁護

 

合格率は高いですが、しっかり勉強をしていないと合格しません。
7時間半の長丁場にわたる試験を5日連続で行うため、試験対策に加えて体調管理をしっかり行うことが大切です。

 

生活について

 

朝の身支度をする司法修習生

 

選択修習は公務員に準ずる立場で、各種研修は原則としてスーツを着用し、現場で働く人と同じ勤務形態で働きます
定時上がりで残業はありませんが、試験に向けて日々の勉強は欠かせません。

 

休日はしっかりありますので、プライベートも全て勉強に充てるのではなく、適度にオンオフを付けることが可能です。
寮生活に特別厳しい規則はなく、一律135,000円の給料(手当)賃貸住宅を利用した場合に35,000円の住宅手当が支給されます。